アイソモカ

知の遊牧民の開発記録

怠け者の根性なしではなかったっぽい(精神ソフトウェア不具合対応記録)

この記事は7月上旬〜8月上旬に下書きしたものを少し編集し、8月下旬に投稿したものです。

 6月末に文字通り泣きながらこの一連のツイートを書き、自分にとって自分の不得意な部分の何が問題なのか改めて考え、カウンセリングルームと精神科に行き、服薬と検査を開始することができた。

これはホンマに文章として出力するのに勇気がいる話なんですけど、修士課程の途中で「ア、ぼく研究者向いてないな」と気づいて諦めたつもりだったのに、研究への未練タラタラでそれを考えるたびに文字通り涙出てくるの、そろそろどうにかせなアカンと思っていて。

「怠け者で根性がないどうしようもない奴だ」ではなかったのだととても安心した。どうにかうまくいくかもしれないと希望が持てるようになった。

目次

主な不具合

常にやりたいこと・やらなければならないことがたくさんある状況で、あれもこれもと焦って目の前のことに集中できない。どれから手をつければ良いかも分からない。気付いたらネサフしたりツイッタ見たり、文字通りお布団から出られなくなる。

 一番ひどかったのは大学・大学院時代。なんか分からないけどしんどくて、授業や研究室にもおそらく半分ぐらいしか行けていなかった。ネットサーフィンとmixiアメーバピグTwitterをしていた記憶が多い。楽しんでいるわけでもないのに夜更かしして朝起きられない生活だった。

自分ではサボっていると思っていた。怠け者の根性なしだから勉強も研究も遊びも満足にできない、自分には上手くやれることが何もない。生きているのも辛かった。自傷したら楽になるかと試してみたが、楽にはならなかった、ということまであった。

今考えてみると

 レポートや試験勉強、友だちとの遊びや趣味の読書など、何からやればいいのか分からなくて、どれにも手をつけられず、あるいは継続できない、一旦始めても他のことが気になって集中できない、というのが問題だったのだろう。しかしその当時は、自分の精神状態の解像度が「何もかも怖い」程度しかなかった。

自分を分析するのが下手で、困っているのかどうかすら分からなかった。大学のカウンセリングや精神科に行ってみたこともあったけど、うまく説明することも解決することもできなかった。ふと思い出したけど、3.11のニュースを見たのが精神科の隣の薬局にいたときだったな。カウンセリングも薬も、効いてるのか効いてないのか分からなくて、行かなくなった。

いったんは諦めたつもり

 物理の実験や議論をするのは楽しかったから、博士課程に進んで研究者になりたいと思っていた。就活をせず、博士課程の研究計画を立てることもないままM2の冬になった。このままの生活を続けるのは無理だと感じ、「研究者向いてないな」と諦めた。初めてエントリーして面接を受けた派遣会社で契約社員の派遣スタッフとして就職することにした。

周りを見ると、追試常連仲間だった友人も、部活で飲んだくれていた友人も、みんな正社員で就職してる。なんで自分だけ就活できなかったんだろう、と思いながら。

 修論を提出した時に指導教官に残念そうに言われた「もっと頑張っていれば、いい修論が書けたのに」という一言が忘れられない。

明らかになってきた経緯

 働き始めたら、何からやればいいのかは上司や先輩が指示してくれるので、だいぶ楽になった。

その後、1社目のメーカーでの設計から、別の派遣会社から派遣された3社でで事務をやりながら(そのうち2社は根本的に向いてない仕事内容と環境だった)、日本語教師の資格を取って、やっぱ理系の仕事のほうが給料いいなと思い化学系ベンチャーで電磁場解析をやって派遣から正社員になった。5年間で5箇所を転々とした。 今年の4月から現職の自然言語処理エンジニアとして働き始めた。

 勉強も研究も熱心にできずに卒業&修了してしまった劣等感と、何も上手くやれない、どうやって生きていったらいいんだという迷いは持ち続けてきた。

やりたいこと・やらなければならないことがたくさんある状況で、あれもこれもと焦って目の前のことに集中できない。

 これに気づいたのは、つい最近だ。

 先輩や上司が面倒見良いタイプで、「あれよりも先にこっちやって」「あの件どうなってる?」などと、何を先にやればいいか・やり忘れがないか教えてくれれば、そんなに問題がない。(そういう環境ばかりではないけど)

しかし、私生活や趣味、自発的に勉強や開発をやりたいとなると、そういった指示やアドバイスをくれる人がいない。 電気代を払うとか、ご飯を炊くとかの生活に必要なことも、すっかり頭から抜けてしまう。電気を止めますのお知らせが届くし、おかずを作ったのにご飯がない。 ToDoリストを作ったことは何度もあるけれど、リストを見たり更新したりすることを忘れてしまうから役に立たなかった。

 やりたいことができないというのは辛いものだ。暗黒森林を読もうかな、アッ語用論の本まだ途中だったし語用論の本を先に読むか〜えーでも風呂入る?家計簿つけてないじゃん、髪の毛落ちてる掃除機かけなきゃ、あーどうしよう……とりあえずツイッター見よう。ツイッター一通り見終わっちゃったな、YouTube見るか、……ああ、今日も何もできなかった、クズだな。楽しくないな。何のために生きてるんだろう。

このブログを見た人は、おそらく、言語処理100本ノックが途中までになってしばらく経つのに気づくだろう。やりたいことなのにとりかかれない、あるいは始めても継続できないことが、しょっちゅうある。

そして、初めに書いたツイートになる。

ツイートしてから

 ぼくのツイッター史上最大のいいねとリツイートがあった。フォロワ諸氏からも共感と励ましをいただいて嬉しかった。研究は魅力的だが、研究者の道は険しいというのは、多くの人が思うところなのかも。

そんな中で一番驚いたのは、フォロワさんに言われたこれ。

眠いとか疲れているとかでなくて布団から出られない状態、かなり病気っぽいので病院に行ったほうが良い気がする(私はそういうことはまったくない)。

えっ、そうなの? えっ?普通じゃないの?病気っぽいの?

 心の専門家に相談に行ってはどうかというアドバイスもいただいた。 精神科以外にも、カウンセリングルームというものがあることを知った。 行ってみようと思った。

不具合対応の専門家に会う

 学生時代のなんか分かんないけどしんどい生活は、もう経験したくない。もしも、やりたいこと・やらなければならないことがたくさんあっても、整理して優先順位をつけてスケジュールを立てて着実に実行していけるようになったら、大学院で研究して博士号を取りたい。

専門家に相談して、自分の得意・不得意を整理して、不得意にどう対処していけばいいか分かったら、もっと生活がラクで楽しくなるんじゃないだろうか。

カウンセリング

 以前、大学の保健センターや精神科で自分の状況と困りをうまく説明できなかったので、またいきなり精神科に行ってもうまく説明できないかもと不安だった。 実際、働けないほど重症でもないし、生活の難しさや劣等感は多かれ少なかれみんな持っているんじゃない?などとも考えてしまう。

 ネットで検索して、いい感じかな?と思ったカウンセリングルームを予約した。うわ高っ!でも美容室でカットとカラーしてもらったらもうちょいかかるよな〜と思いながら。英会話とかも、それぐらいかかるところはありそうだし、プロに1対1で何かしてもらうというのはそういうことだろう。

そうそう、探すときに、スピリチュアルとか占いとかじゃないところってどうやったら分かるのかなと思って、とりあえずお問い合わせフォームから「必要があればWAISなどの検査を受けることはできますか」と問い合わせてみたんだった。

 カウンセラーさんは、公認心理師臨床心理士の資格を持ってるチャキチャキした優しいおばちゃんだった。 話したのは、やることがありすぎて何をやったらいいのか分からなくなって何もできないという話、学生時代がいちばんひどくて、またあの状態になったら困るのでなんとかしたい。 音でメチャメチャ疲れるけど耳栓をしたら疲れなくなった、なんか工夫してうまくやりたいと思って相談に来ました、というのがメインだったかな、よく覚えてないけど。

いつからですか? 小学校・中学校・高校のときはどうでしたか?などを聞かれた(小学校と中学校の頃は友だちを作るのが難しかった。誰にどう話しかければいいか分からない。計算をよく間違えるし、片付けが苦手で、忘れ物が多かった)。

 最終的に、話が分かりやすい!と褒められて嬉しかった。ADHDの薬を飲んだほうがいい困り度。薬を飲むと頭の中の雑音が消えてやりやすくなるよ。お医者さんは大学を出て今仕事できてるから大丈夫でしょって言うかも知れないけど、困ってるんですって強気で行ってね。検査はうちでもできるけど、病院行くなら病院でしてもらうほうがいい…などのアドバイスをいただいた。

病院・クリニックにより、発達障害が得意かどうかは違うらしく、住んでるところから比較的近い発達障害を診てくれるところの情報をもらうことができた。

 花粉症の薬を飲むとぐっすり眠れるけど、普段そんなにぐっすり眠れないと話したら、「ADHDの人は寝るのも下手なのよね」と言われて驚いた。 計算をよく間違える、片付けが苦手、忘れ物が多いとかは、ADHDっぽいと思ってたけど、寝るのが下手もあるんだ。

 プロが見てもADHDっぽいのか。 学生時代に先輩に「発達障害なの?」と聞かれて、その時に調べて以降、うっかりとかのADHDっぽいのは、多かれ少なかれ誰にでもあるだろう、自分はそこまで多くないほうだと思っていた。 カウンセリングに行ってよかった。

精神科

 教えてもらった精神科に電話した。予約する前に「どんな症状がありますか」と聞かれ、まずそこで説明しないといけない。カウンセリングで一度話していたので、比較的話しやすかった。カウンセリングに行っていなかったら、タジタジで出直すことになるか諦めるところだっただろう。 曜日や時間を指定すると2ヶ月待ちのところ、キャンセルで空いていた枠があって、3週間後の日時で予約できた。

 精神科に行くのは緊張した。うまく話せるかな……って、採用面接みたいな不安があった。 有給を取って精神科に行った。比較的大きいところで、待合室が騒がしくて名前を呼ばれるのがよく聞こえないから、ボーッとしていられないのが辛い。

 ぼくが行った精神科は初めての場合、予診と本診があるようだった。予診で1人目のお医者さんに話をし、少し待って本診で2人目のお医者さんと話をする2人目のお医者さんが主治医になる人だ。 カウンセリングで話したのと同じような話を、予診と本診それぞれで繰り返した。

最後に、「ADHDと思って治療いうか対処していくのがええんちゃうかなと思います」と言われた。検査をするか、薬を飲み始めるかと聞かれ、早く楽になりたいので薬を飲みたいが、自分をよく知っておきたいので検査もしたいと答えた。 ADHDについては色々調べて知ってると思いますので、と言われてあまり説明してもらえなくて、後で調べなきゃと焦った。何度調べてもよく分からないものだ。

 ADHDの薬、ストラテラを処方された。3週間最低量を飲んで慣らし、その後徐々に増やしていく。効果が現れるには時間がかかるが、頭の中が騒がしいのが静かになるらしい。 心理検査の日程については、後日、心理師さんから電話で連絡をもらう。ぐっすり眠れない問題については、花粉症の薬と同じような抗ヒスタミン薬を出してもらった。

 説明が分かってもらえてよかった。

不具合まとめ

今回分かったこと:

  1. 専門家の支援が必要なレベルで困っているということ
  2. 頑張れないのは、根性がなく怠けているからではなく、頭の中で情報が整理できないからだということ
  3. 薬を飲み、検査とカウンセリングを受けたら対処できるようになるかもしれないということ

薬、効いたらどう変わるんだろうな。希望が持てるようになってきた。