アイソモカ

知の遊牧民の開発記録

読書記録 2022/07

プロジェクト・ヘイル・メアリーはいいぞ。

本の紹介とは全く言えない自分用のメモを公開するの、一体誰得なんだろう…

🚩『哲学がわかる 因果性』ティーヴン・マンフォード、ラニ・リル・アンユム 著 |塩野直之、谷川卓 訳|岩波書店📚

  • 哲学やってる人たちと話してたとき、この「わかる」シリーズが良いらしいと知ったので
  • 2022/07/03 ~p.25
  • ラッセルの話、因果性の概念は、非対称性を含む。

因果性は向きをもつのである。石が投げられることが窓が割れることを引き起こしたのならば、窓が割れることが石が投げられることを引き起こしたということはない。(p.9)

  • 窓が超強化ガラスでできていて石では割れないことがわかっているなら、侵入者は石を投げないかもしれない。または、壁に石を投げても割れないので、侵入者が壁に石を投げることはないかもしれないし、壁に石を投げたことは誰の目にも留まらないかもしれない。窓が割れることが石が投げられることを引き起こしたとは言えないと、本当に言えるのだろうか?
  • https://twitter.com/xipj/status/1543615074111131648
  • https://twitter.com/xipj/status/1543619534564732930
  • 話をつなげると「AとBという2つの出来事の間に因果性がありますか」を考えるとき、AとBの選びかた、「何が起きたことになるのか」をあやふやにしておくのはまずいのでわ?と思ったんだよな。AとBが「起きたこと」になるために因果性が絡んでるとしたら、因果性抜きでは「AとBが起きました」という前提が立てられないことになる。
  • 2022/07/06 ~p.47

✅『『プロジェクト・ヘイル・メアリー 上』』アンディ・ウィアー 著、小野田和子 訳

  • 2022/07/03~07
  • 2022/07/03 ~27%
  • okaセンパイが「ラノベっぽくて読みやすい」って言ってたの、たしかにそうだな。現在と過去の話が交互に進んでいくんだけど、どちらもちょっとお茶目な主人公の一人称視点なので楽しい。
  • 2022/07/06 ~40%
  • 主人公がハイスペすぎて辛くなってきた。もっとヘタレだったりして共感する隙を与えてほしい…
  • 宇宙規模でみれば、みんなロースペだよ。
  • 知識も論理もつよつよなんだけど、感情ドリブンなんだよな、孤独でボロ泣きするし新しい出会いに小躍りする… そういう正直な感情の発露がわかるとドンと親しみがわいてきた。
  • 2022/07/06 ~1巻 85%
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー、小躍りする主人公と一緒に楽しくなってきた。第6章おわり「うっそだろう!」(1:05 2022/07/07)
  • プロジェクト・ヘイル・メアリー、不覚にも最高になってしまった。第12章おわり。ぼくはよく寝る。(2:27 2022/07/07)
    
    プロジェクト・ヘイル・メアリー上巻読了。「いいぞ。」だけで読み始めたが、あらゆる情報がネタバレになりかねないと納得。「言語学徒にもおすすめ」「バディが性癖なら刺さる」ですら。フォロワ諸氏の配慮を理解した。よい、よい、よい。
    
    --
    
    始まって以来、上巻の半分以上ずっと孤独なんだよな。だんだん状況がわかってくると、ひとりで太陽系を救うミッションの重圧に耐えようとする主人公の、知識も論理もつよつよで、運もいい、人当たりもいい、ハイスペすぎるところがわかってきて、なんだか寂しくなってくる。寂しいというのは、なんつーか、ハイスペすぎる雲の上存在に対して「おう、そうかそうか、まあ自分を信じて頑張ってくれ✋」みたいな一線引いちゃう気持ち。 
    寂しくなった結果、上巻の30%ぐらいまで読んだところで一旦閉じて、「人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル」を読み始めるっていう寄り道をしたんだが、結論からいうと「『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は、とにかく読み続けろ」が正解だった。 
    ちなみに、途中に挟んだ「10億ゲット」はバディ物だ。SFで人間同士のバディってそんなに多くなさそうなんだよな(SFでバディというと人間とロボットという組み合わせがあるが、ぼくは天然存在のほうが好みだ)(おすすめがあったら教えてほしい)。たとえば、「三体Ⅱ 暗黒森林」の「俺難しいことはわかんねえけど先生を助けるよ」みたいな関係ににこにこしちゃう(ちょっと待って、三体読み途中なんで)。そんなわけで、バディSFをネットで検索してたとき、突如に「『プロジェクト・ヘイル・メアリー』は最高のバディだった」というような感想ブログを発見してしまった。 
    「は???グレース博士めっちゃ優秀だし、宇宙船の中で孤独なんだぞ???バディが登場する隙ねえだろ!!!何言ってんだ???」とページを勢いよく閉じ、まあ後で「プロジェクト・ヘイル・メアリー」の続きは読むけどな!と思いながら、「10億ゲット」を読み始めた。 
    「10億ゲット」は、AIオタク無職技術者と映画オタク裏社会コンサルの、仲がいいんだか悪いんだかよくわかんないふたりが、AIやヤクザを騙して東京と博多で派手にドンパチする、にやにやが止まらない話だ。地理的にも技術的にも地に足ついた、SFだけどエンタメっぽいノリの話。「10億ゲット」の主人公は、技術も知識もオタクマインドもつよいのに、どことなくヘタレな感じが漂うところに、とても好感が持てる。宇宙で孤独を感じたぼくに、癒しのひとときを与えてくれた。 
    主人公がヘタレっぽいSFといえば、小説は「ニューロマンサー」(前途断たれたヤク中)や「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」(尻に敷かれて頼りない)が思い浮かぶ(映画「ブレードランナー」では強いし顔も良いので全然違うんだが)。映画では「オートマタ」の主人公が人間関係不器用でヨレッとしていて良い。…と、出てくるところを見ると、ぼくはヘタレ主人公が性癖なのか?(いま自覚した)(主人公ヘタレ系SF、おすすめがあったら教えてほしい) 
    さて、「プロジェクト・ヘイル・メアリー」に話を戻そう。優秀な主人公に「まあ自分を信じて頑張ってくれ✋」と思いながら、とにかくフォロワの「いいぞ」を信じて読み進める。 
    とはいえ、やはり「バディ」情報が気になり、考えてみる。実はグレースのほかには誰もいないはずの宇宙船に地球で会ってた重要人物が眠ってる?/お世話ロボットのリミッタ解除?/ストラットは気の許し度がまあ高いし……地球時代の信頼話が?……全然違った。 
    そういうことか!!!そういうことなのか!!! 
    バディの出現で、主人公の感情ドリブンなところが明確になった気がする。思い出してみれば、グレースは最初から、喪失にボロ泣きし新しい発見に小躍りする… そういう正直な感情が根底にあるんだった。ピジェ君、「主人公がちょっとお茶目なところが楽しい」って言ってたじゃん。感情を動機として、知性で実現する、好みだ。 
    それで。ロッキーがメジャーで遊ぶのがかわいすぎるよな。優秀で孤独なふたりが「悪い、悪い、悪い」で心を通わせ合うのが、尊すぎる。尊い、尊い、尊い。ひとりぼっち同士が出会ったときに発生する最高を啜って、ぼくも寝れる。 
    下巻も読むぞーーー!
    
    
    地球ができたときに集まった星屑の放射性同位体の生き残りから出ているやつが多く(地域によるけど7割ぐらいそう?)、ウラン系列…ラドンを吸い込むことによる内部被ばく、あるいはカリウム40を食べることによる内部被ばくとか。 
    エリドが地球よりも何十億年も古くからあるなら、そういう星屑由来の放射性同位体が全て崩壊しきって安定同位体だけになっているかもしれないが…太陽系とエリダニ系ってそんなに年齢違うんかなあ。そんなに年齢違わないなら、エリドにもウランとかがあって呼吸や食物由来の放射線を浴びるのでわ?という気がするんだけど。 
    宇宙詳しいひとにも聞いてみたい。
    

✅『人工知能で10億ゲットする完全犯罪マニュアル』竹田人造、 ハヤカワ文庫JA

  • 2022/07/04
  • バディSF探し祭、ワルわちゃ祭
  • 孤独に人類を救うのが寂しくなってきたら、AIオタク技術者と裏社会コンサル映画オタクのバディ物を読もう。宇宙じゃない、首都圏と博多が舞台だ。完全自動運転の現金輸送車を襲うところから始まる、10年後?数年後?かもしれない直近未来のSFで、地に足ついてる感がある
  • (2020年)第8回ハヤカワSFコンテスト優秀賞受賞作
  • どこかで会いました?って感じの技術者「技術的におかしいと思ったら相手が誰でも口挟む」「仮説が立ったら何が何でも検証したい」「頭脳でだけは負けたくない」みたいな、三ノ瀬ちゃんのキャラが魅力的だ。技術者を動かすアルゴリズム、ある。
  • Adversarial Examples とかの技術的な話とか出てきて(本の最後に論文リストあり)ガチっぽい。自分は画像認識やセキュリティやネットワークは全然詳しくないので、雰囲気で読んでいた部分も多い。
  • バディは良いな。仲がいいんだか悪いんだかよくわかんないバディは最高だ。
  • 悪役もいいキャラしてるよねぇ。頭脳でぶん殴ってくるところが、うわー!うわー!ってなった。
  • 当然かもしれないけど日本語が原作の小説は日本語っぽいジョーク(故事成語とか)が挟まってくるのが翻訳小説とは違う面白さだというのがあるね。日本のSF全然読んでないからちょっと新鮮だった。
  • 小説読み慣れてれば数時間で読めると思うので、宇宙で孤独を感じた技術系読書家には息抜きに、軽率におすすめする。
  • とはいえ、人工知能関係のオタク知識が遠慮なく披露されているので、ニューラルネットワーク強化学習などが多少イメージできるか、あるいは雰囲気で読めるか…じゃないとキツいかも? あとSSHとかも常識ぽい。
  • 登場人物の名前が覚えやすくて助かる(一川、三ノ瀬、四郎丸、五嶋、六条、八雲、九頭)
  • https://twitter.com/xipj/status/1544000370799566848
  • 著者の新刊「AI法廷」読みまぁす!

🚩ゲイル・サラモン『身体を引き受ける トランスジェンダーと物質性のレトリック』(藤高和輝訳)以文社📚

  • 絶版になっていたのが再販されたので
  • 2022/07/03購入、2022/07/05届いた
  • 積んでる

✅『『プロジェクト・ヘイル・メアリー 下』』アンディ・ウィアー 著、小野田和子 訳

  • 2022/07/07~08
  • 語用論をうまくやっているの面白いな。 また類似。きみとぼくは両方とも、思っていることとは違うことを言う。どうして皮肉、質問?
  • フィストバンプするふたりがかわいすぎる。かわいい、かわいい、かわいい。ふたりの尊みでぼくもよく寝れる。
  • 2022/07/07 ~51% 悪い!悪い、悪い、悪い!大変だ。
  • 2022/07/07 ~56%
  • 何だって〜!そんな!!臆病者だったのか!!!(1巻最初での自分の感想が伏線として回収されていってワロタ)
  • ~75% ぼくらはヒーロー!
  • 2022/07/08 読了
  • サイエンスもテクノロジーもヒューマニティーも、クレイジーも、ぜんぶよかった。科学者と技術者のバディ……最も強い言葉で称賛するしかない。よい、よい、よい。
  • 問題がどこにあるのか追い込んでいくところの手順を横で見てるの楽しすぎるんだよな。
  • ロッキーとグレースの会話が楽しすぎるので、英語では何て言ってるのか気になった。英語版買った。

  • プロジェクト・ヘイル・メアリー下巻の感想をツイートするのを忘れていたので、する。トラブルが起きたときに、怪しいところを潰していって、仮説を立てて検証して、っていう問題解決が着実に行われていくところを見るのが、ホンマ楽しい。そして主人公の感情的な部分が強く出てくるのも、よかったね。
  • 下巻は勢いで2日ぐらいで読めちゃった。
  • 最高のバディだよ。お互いに専門性を認め合ってて、むちゃくちゃ信頼しあってて、どんどん最高になっていくのが良かったな。フィストバンプと「ぼくらはヒーロー!」のノリも、かわいい。かわいい。かわいい。
  • 感情的な部分。上巻の感想でぼくはヘタレ主人公が好きって書いてたじゃん。それで、色々明らかになるうちに「ああ聖人君子じゃなかったんだ」って安心した。人類のために死ねと言われることにはめちゃくちゃ抵抗してたくせに、ロッキーがピンチなときは大やけどしてでも助けようとするし、片道切符でも駆けつけちゃう、でかい愛だなあ。
  • ロッキーとグレースの会話が楽しい。しゃべってることばは少しなのに、たどたどしいのに、どうしてここまでの関係性を築けるの?英語では何て言ってるの?って思って、英語版もポチった。読み解いていこうと思う。
  • とりあえず、ふむ、SVOで、マンダリンの「呢」や日本語の「か」に似たような質問マーカーが最後につくのな。単数形と複数形の区別はありそう。寝るとき「観察する(observe)」っていうの良いよね、科学っぽくて。とか考えてた。英語のしかしネイティヴ直感がないため、たどたどしさをたどたどしく感じるのは難しい。が、楽しい。
  • 語用論をうまくやっているの謎いよね、どうして皮肉が通じ合えるのか、質問?
  • 地上組は続々と新キャラが出てくるんだけど、みんなキャラが濃すぎて、もはやギャグ。名前覚えるの苦手なぼくでも「ビートルズオタク」「環境保護活動家」「お堅い中国軍人」「セッしてるやつら」とか… 思い出しやすくて助かる。ツイッタで「ミサトさん」って言れてる人も。激しくアツいよなあ。
  • プロジェクト・ヘイル・メアリーの好きなシーン3つ。「ロッキーが巻尺で遊んでいる」「グレースが寝るようロッキーに説得される」「グレースがロッキーのかさぶたをはがして怒られる」…3つじゃ足りない。

🚩『アルテミス』アンディ・ウィアー 著、小野田和子 訳

  • 『火星の人』ほど評判が良くないっぽい
  • 積んでる

✅『デッドライン』千葉雅也

  • 2022/07/11
  • このまえサイゼで炎上してた人
  • 文系大学院生の生態が面白い
  • HIVがリアルな恐怖だ
  • 結局、盗まれた身体は… 少女の尻尾はどうなるんだ?宙ぶらりんだなあ。
  • 「男と女が、越えられない距離を挟んで相手を対象として愛する。それが普通なのだった。」ああ… 世の中の普通を時々思い出す感じ。
  • 動物的男性に愛されたいのだが、同時に、動物的男性になりたい。👈これ、沁みるなあ。
  • たぶんあるんだよね、完全な男性になりたい憧れが。小説の主人公は、少女としての自分が、身体を盗まれている。身体が盗まれる話、いまいちハラオチしてないが… ぼくは盗まれるはずだった?わからないな…… でも自分のなかにフェミニニティのかけらを持て余してる感じは、たぶん共通している…?われわれは、男を欲望しているが、それは女としてではない
  • 欲望が他者に向き、自分に戻ってくるっていう円環、これも最終的にほどけたのだろうか?ほどけていそうな気がする。
  • ポエティックでふんわりとしていて、謎を残していく感じだった。 やること先延ばしして「デッドライン」読んでた(先日サイゼで炎上してた人の小説)。哲学を難しみ、最終的な結論がよくわかんねえ(初心者向け解説本がほしい)。雰囲気で読めば、研究のしんどさとHIVを恐れる生態が生々しく、繊細な主人公の内面が魅力的。動物的男性になりたいが響いたなぁ…
    男なんだけど男じゃなくて、けど男になりたい/男になろうとしている/男とみなされる的なところで、「トランス男性学」となんか近そうなかんじがした。 あれもゲイの話をしてたんだった。

『AI法廷のハッカー弁護士』竹田人造

  • 2022/07/11 ~5%
  • 2022/07/19 読了
  • AIが裁判官な未来、ヤバイ弁護士が不可解な判決の謎を解くために奔走する。問題提起としても面白いし、しかし小説で ReLU とか出てくるとは思わへんやん。とか、乾杯のシーンで腹抱えて笑ったり。主人公最初スゲー嫌な奴って思ったけど最高の三人組だった。
  • あれ、書いてみて「謎を解くために奔走する」という表現はちょっと違う気がしてきた?まあいっか。気になった人は読んでみてくれ!(マルナゲ)
  • 登場人物に女性が多いな!?と思ったんだけど、よくいる女キャラ(恋愛対象/お世話担当/遠い存在/多様性要員…)っぽさがなく、みんなふつうに人間やってて、性別が人物を説明するうえで最も重要というわけではない感じが心地よいと思った。
  • 感想ツイートが作者にしっかり捕捉されてて嬉し!

✅映画『呪詛』

  • 2022/07/17
  • 青汁ちゃんおすすめ
  • とにかく怖かった〜〜
  • 登場人物が持ってる/置いてるカメラで撮ってるっていうテイで進んでくんだけど、暗いと真っ暗で見えないとか、カメラ落として音が入らないとか、がリアルなかんじだった
  • 怖くてグロい場面の間に親子愛が挟まってくるのが辛い〜ッ
  • 観覧車の話が面白かった
  • 医者が親に説明するときに「お子さん」を「小朋友」って言うんだ!?って思った
  • 田舎のオッチャンがしゃべってるの台湾語かな(すくなくともぼくには1文字も聽不懂な言語)。字幕では台湾華語と同じく書かれてるので、違いがわかると雰囲気がより伝わるのでわ?と思った。(英語の映画を日本語字幕で観てるとき、英語以外の言語でしゃべってたら〈〉や斜体で示したりするよね)

🚩アニメ『氷菓

  • 2022/07/17~
  • あらBfmセンケイさんオススメ
  • 根回し?みたいな社会性がすごい

✅映画 「ロザリンドとオーランドー(揭大歡喜、As We Like It、2021)

  • 2022/07/18 @レインボーリール映画祭(シネマート心斎橋
  • https://rainbowreeltokyo.com/2022web/program_jp/as-we-like-it/
  • 未来台湾キラキラCG、アニメやゲームっぽい絵が重なってくるとこ、古い裏路地を走るスクーター、伝統中華文化、かわいかった。コメディ要素も楽しい。台湾マンダリンがたくさん聞けて嬉しい(おばあちゃんが話すマンダリンじゃない言葉も聞けた。台語か?)
  • シェイクスピアわかってたらもっと楽しめたのかな?
  • 男装の美男子がどんどん出てきて宝塚っぽい。(イメージ)(イケオジもいるよ)
  • レインボーリール映画祭のサイトで[L][T]のラベルがついていたことと、「オール女性キャスト」って書かれていたことを考える。(警官とかふつーに男っぽいひとたちもいたけどマジでみんな女性なのか、すげえな?)
  • シェークスピアの時代に活躍できなかった女性に捧げる」的なコメントがついていて(うろ覚え)、フェミニズム的な姿勢が強そうって思った。それで、この映画がLGBTQ映画かというとそうでもないような気がするんだよね。(たとえば女が活躍できない時代にはFTMも活躍できない可能性が高いが、FTMやFTXを女に含めるのはトランス差別でしょとか考えて)
  • ネタバレだけど「わたしはレズビアンだ」って言ってた子が最後にデキ婚?して、悪役片思いゲイから男奪う展開、まじかよ…救われな……ってなっちゃった。
  • それから、なんで[T]のラベルついてたんだろ…
  • 男装のおじさんがオカマっぽく見えるのふしぎ?(見た目はおじさん、仕草はおばさん、みたいな共通点があるため?)

✅『LGBTを読みとく ──クィア・スタディーズ入門』(ちくま新書) 森山至貴

  • そらさん紹介
  • 2022/07/19-21
  • まだ半ばなんだけど、思い出した。以前、寝ながら学べる構造主義を読んで色々考えてたときに、科学で宇宙のすべてをわかろうぜ!はたぶんできなくて、権力とか社会とか、そういう人間たちが知りたいと思ったことしかわかれないのでわ?と思って、絶望したんだよね。(まあ、体感的にもそうなんだけどさ、何でも調べたければ調べられるわけじゃなくて、お金がもらえて業績になることに限定されるでしょっていう)
  • で、クィアスタディーズ入門してパフォーマティヴィティの辺りで考えていて、ぼくは人間たちがわかりたい(人間たちの振る舞いを記述したい)のに、人間たちを記述すると、ひょっとして、記述しただけでも、人間たちに対する何らかの行為になってしまう!?!?と、また絶望している。
  • 絶望って、嫌いとかとは違うんだけどね。生きてれば悲しいことはあるよ、しょうがない。
  • 他者を傷つけることについて:

『大事なのは自分に傷つける意図がないことではなく、相手が傷つかないことだ、と直感的にわかっている人は、それゆえに意図せず他者を傷つけることに敏感になります。』

  • 反例を知っているぞ… 意図せず他者を傷つけがちだという自覚があり、傷つけたら謝れば良いと開き直っているひとたち…鈍感なふりをしているだけかもしれないが…
  • 傷つけないに越したことはないけど、自分の納得のために必要なら他者を傷つけるかもしれなくない?:
  • 親にカミングアウトしたら子育て失敗したと思って傷つくかもしれないじゃん。そこでマジョリティは傷つけてもいいと言えないんだよね。たしかに「性別は男女ふたつしかなく、出生時の割り当てで決まって、自分の自覚とはずれることがなく、人生ずっと変わることがない」みたいに素朴に思ってる人はマジョリティかもしれないけど、ぼくの親の中ではおそらくそれが信仰と結びついていてクリスチャンは日本に1%しかいないマイノリティだとしたら、どうなんだ。そのとき
  • みんなシスヘテに向けて説明しようとするけど、たとえばパンセクが単性愛者に、ノンバイナリーがバイナリーに、アセクシャルがセクシャルに、アジェンダーがジェンダーに、ポリアモリーがモノガミーに、反同居主義者が同居主義者に「なんで?」って聞いても良いはずで、そのとき、「マイノリティが攻撃されてる」って思われたくない。ある側面ではマイノリティでも、他の側面ではマジョリティかもしれないじゃないか。
  • ゲイがなぜゲイというアイデンティティをもつのか(「自分はゲイだ」とカミングアウトする必要があるのか)(これはヘテロもそうで「単性愛者はどうしてそんな確信できるの?」という疑問)……社会への対抗(逮捕されないで暮らせる・HIV同性婚・プライベートな話として扱われない)として、アイデンティティを持たざるを得ない、なるほどってなった
  • トランスジェンダー

トランスジェンダーでない多くの人々がなぜこれほどまでに多様な要素を「女性/男性であること」に関連づけて混乱せずに暮らせてしまえるのか

  • それな!!!って思った
  • 女のホモソーシャル、雑に扱われててワロタ。女性同性愛は忌避感低いじゃん?(女の子同士で手を繋いで歩いても仲の良い友達としかみなされないかもしれない)虐げられ経験を共有する連帯感とか、あらゆるところが男のホモソーシャルと違う。違うからなんで?って思うんだけど。説明しないってことは、きみも女を軽視してんのか?って邪推しちゃうわね。
  • 「引き受ける」がわかりたい。「基礎づける」もよくわかってないな。
  • 金の話、面白かった。子なしパワーカップルと、仕事につきずらく手術のお金も大変な人
  • 良い/悪いと断罪してくる(価値判断する)感じが、あんま合わないなって思う。自分の中の倫理は「人々がどんなふうに振る舞っているか」とは分けて考えたいなって思うんだよな
  • 構造主義的に考えれば、「自分の中の倫理」も、権力や社会構造からの影響を免れられないけど。それを素朴に無意識に適用するよりは、意識的にクィアに寄せて公開するほうがマシなんだろうか?
  • 「人を傷つけない」とかの気持ちに訴えかけるよりは、理屈でゴリゴリ責められたい。社会学の人はダメなのか?誰がやってくれんのかな。哲学の人?

🚩映画『エスター』

  • あらBさんおすすめ、途中まで

✅『言葉の展望台』三木那由他

  • 2022/07/21~28
  • 予約時には紙の本だけだが、発売後にKindle版が出るという罠…(よくあるっぽい)
  • 2022/07/21 購入
  • 何かを言うことは、約束することになるという話。言わないことも約束することになったりするよね、たぶん。たとえば先生に質問されて黙っていたら怒られたりする。「意見がなければ異議なしとみなします」とかもある。「黙っている」を「無を言ってる」ということだと変形すると、黙っていることも言葉を発しているのと同じようにコミュニケーションで、コミュニケーション的暴力の考えかたが適用できそう。
  • 2022/07/21 ~25%
  • 「ガラスの天井」の辺りが面白くて、『話し手の意味の心理性と公共性』を表紙買いして積んでたのを、これは読まねば!!となっている
  • すだちめっちゃ笑った
  • スカイリムのブレリナさんの「私は魔術師よ。質屋じゃないんだけど」という台詞が場面により違う意味に聞こえてくるのはなぜ? ヒロアカ爆豪の謝罪を誠実だと認識するのはなぜ?とか、面白かった。漫画のオタク解釈本、次の新書(『会話を哲学する コミュニケーションとマニピュレーション』)にも期待〜!
  • 2022/07/25 ~83%
  • 2022/07/28 読了

🚩松浦 理英子『親指Pの修業時代』 上・下 (河出文庫)📚

  • 2022/07/15 購入
  • あらBさんオススメ
  • 積んでる

🚩『非平衡統計力学: ゆらぎの熱力学から情報熱力学まで (基本法則から読み解く物理学最前線 28)』沙川貴大

  • 2022/07/18 購入、センケイさんが読んでる、統計力学を情報に接続できる?
  • 積んでる

『ぼくのカレシのすきなひと』リッケン

  • 2022/07/31
  • 宮内さんオススメBL
  • 思えば第1話からヤってる漫画いままで全然読んでなかったな、なんでだろ
  • おとこまえなかわいい子、最強やん
  • 受けの五月くんが最初すげぇフェミニンで「あーそういう感じね」と思いきや、読んでくうちに全然違うやんけ!おとこまえやん!かっこい!ってなって、最後めっちゃでかくなっててふふふってなった

『ニューロマンサー』ウィリアム・ギブスン

  • 2022/07/26~08/07 再読する!
  • 2015年に読んだときのツイート https://twitter.com/xipj/status/670931194452664321
  • 千葉市憂愁で、ケイスがあっち行ったりこっち行ったりしすぎててついていけなくなりそうだったのでメモしながら読むというアレ
  • 地の文の風景描写がいちいちポエティックなんだよ、好き…