このまえ、多文化共生の話を聞いていた時に、「違い」を漢字で書くと正しくないという意味に見えるからひらがなで「ちがい」と書きますと言っている人がいて、「違い」は「間違い」や「誤り」とは違うよ!!と思った。
「違う」は、「同じじゃない」という意味で、同じじゃないことは、正解がたったひとつでない場合には正しくないことにはならない。
一億総中流社会で、みんなが同じ方向を向いて発展してきた日本では、正しいものがひとつあり、それと違うものは正しくないとされてきたのだろうか。
そしてその人の中にも、「違う」という言葉にマイナスのイメージがあるのだろうか。 「違う」という言葉は事実を記述するだけで、意見を表しているものではないと、僕は思っていて、「違う」にマイナスのイメージを持っていないけど、みんなはどうなんだろう。
ところで、「同じだ」は形容詞だけど、反対の意味を持つ形容詞は何だろう? 英語の different のような。
「これとそれは同じです」「これとあれは違います」と、動詞「違う」を使うことが多くて、実際ここまでの文章の中でも「同じ」と「違う」を対比させてきた。
形容詞は状態を表し、動詞は動作や変化を表している。そう考えると、「違う」のは結果であって本質的な状態ではないと考えているんだろうか。
同じもののひとつが変化した結果としての違うもの。
これと同じようなことを、気づいたら1年ぐらい考えていた。
もしかして日本語には誤りである様子を表す形容詞はないのかなと考えていた
— ピージェイ 𐀠𐀋𐀂 (@xiPJ) December 7, 2015
日本語には「正しい」の反対の意味をもつ形容詞がないのではないか? 英語の wrong のような。 たびたび考えているけど、思いつかない。
正しくない様子も、主に動詞を使って表される。 たとえば、試験の解答について、誤りである、間違っている、のように動詞を使って表現する。 この場合にも、正しくないものは結果であって本質的な状態ではないと考えているのだろうか。
われわれの考え方はことばに影響を及ぼし、また影響されている。
ことばを考えるのは楽しい。
(blogger からの転載)